漆黒の闇の中に一筋の光が差し込むと、観客はふと広大な海の真ん中に立っている自分を発見する。海に浮かぶ船の上では豊漁祭の真っ最中。軽快な音楽とピナリ（祈り歌）が流れるなか、後方の漁船が最初の網を投げる。観客はその瞬間、深い海の中に吸い込まれていく。

韓国館のドームスクリーンは、直径30m、高さ15m、円周95mと世界最大規模だ。ドームの中で珊瑚や海草、巨大なクジラやアカエイ、魚の群舞など、深海のリアルな光景を眺めることができる。また、海から得たエネルギーが、水不足など人類が直面する危機を解決する一つの方法であることを、海から砂漠、草原へと続く旅を通じて感じられる。

韓国館は、環境にやさしい建築物として設計されたエネルギー自立型の展示館でもある。海水熱や太陽光、風力など再生可能エネルギー源を積極的に活用し、特に二酸化炭素を排出しない水素燃料電池を世界で初めて導入したパビリオンだ。

外国人観覧客は、韓国館で韓国の海を堪能できる。外観は太極文様と伝統的な格子模様が施され、館内では韓国の海の歴史が紹介されるとともに、舞踊手と観客も参加してカンガンスーレのパフォーマンスが繰り広げられる。

韓国館は予約制展示館で、入場券を持っていても事前または現場での予約が必要だ。観覧時間は約15分で、午前9時から夜9時まで運営する。

組織委員会の任貞柱（イム・ジョンジュ）主催国展示第1課長は、「韓国人観客は韓国の海洋歴史に誇りを、外国人観客は美しい韓国の海に大きな魅力を感じていただけると思う」と述べた。