総延長3.46km(海上橋梁1.53km、2ヶ所)…定住条件の改善、南海岸島観光に注力

麗水湾南西側の突山島を過ぎると、島の地形がスッポンに似ていることから大きなスッポンという意味を持つ「金鰲島」という島がある。

多島海海上国立公園に属する金鰲島は、大部分が岩石海岸で、小規模の湾や甲が発達し海岸は秀麗な絶景を誇っている。

出入りが激しい海岸線の削られた絶壁の上に設置されたビロンキルや日の出・日没が一緒に見られる登山路など、天恵の自然景観を持つ。

特に年間20万人以上の観光客が訪れるビロンキルは、トレッキングコースとして全国的にも有名だ。

昔、金鰲島は、森が鬱蒼と茂り鹿が群れを成して暮らす場所だった。朝鮮王朝・高宗の時代に明成皇后は金鰲島を鹿牧場に指定し、出入りや伐採を禁じる「封山」にしたこともあった。

このように数多くの物語と天恵の海岸絶景を秘めた金鰲島は、1年中人足が絶えることのない観光名所の一つだ。

しかし、陸に出る交通手段は未だに船便しかない。島の住民たちは、観光客が多く訪れる週末になると船便を案じなければならず、夜になると幼い子供や年老いた両親が体調を崩したりしないかと安心して眠ることもできない。

住民たちは「すぐ隣の禾太島には、既に7年前の2015年に橋ができ陸地のように生活している。月湖島、蓋島など他の島も2027年に橋梁が完工するというのに金鰲島は一体いつまで戦々恐々しながら船で往来しなくてはならないのか」と嘆いてきた。

麗水市では島住民の長年の念願を集約し、国費で金鰲島に海上橋梁を建設できるよう2019年から国会や国務総理室、国土部に国道路線変更を建議し続けてきた。

しかし、2021年に発表された一般国道・国家地方道昇格計画には金鰲島が含まれておらず、失望せざるを得なかった。

「 一念、天に通ず」という言葉がある。金鰲島の住民たちの切実な願いに全羅南道が動いた。

道では2021年7月から2022年6月まで、金鰲島まで橋梁を連結するための基本調査用役を実施した。しかし、事業費が2千億ウォン以上になると予想され、全羅南道でも全額を負担することは難しい状況だった。

このような状況の中、民選8期がスタートし、7月に開かれた1回目の党政協議会で金鰲島海上橋梁建設事業が案件として挙がった。

鄭琦明市長は、さまざまな提案の間で悩んだ末、決断を下した。遅延した場合、海上橋梁建設が失敗に終わる恐れがあるため、事業費の半分を市費として負担することにしたのだ。

そこからは速戦即決だった。鄭市長は8月、南面の里長団に会い面談を行った後、地域政界と島の住民たちの念願を集約し、10月12日、キム・ヨンロク道知事を直接訪ねた。

その席でキム・ヨンロク知事は、島の住民のために海上橋梁の早期建設を前向きに検討し、南面金鰲島で直接住民に会うことにした。

いよいよ迎えた10月19日、キム・ヨンロク道知事と鄭琦明麗水市長、チュ・チョルヒョン国会議員、キム・ヨンギュ市議長と道・市議会議員、住民代表20人余りが金鰲島で会い、「金鰲島海上橋梁建設事業」を確定・発表する。

市によれば「金鰲島海上橋梁建設事業」は、今後妥当性調査および基本計画樹立、入札と設計などを経て2025年着工、2032年開通を目標に推進される予定だ。

海上橋梁が完成すれば、島の住民が車で市内まで30分ほどで行き来できるようになる。

緊急事態に遭遇した場合の応急手当はもちろん、教育、文化、生活環境などすべての面で島民の生活が画期的に変化することになる。

特に麗水・突山から高興八営をつなぐ「百里島島道」を金鰲島まで延長することになり、最近人気を集めている南海岸島観光における新たな話題のスポットになるものと期待を集めている。

麗水市と全羅南道は海上橋梁建設が確定しただけに、関連する行政手続きを迅速に進め、一日も早く着工する予定だという。

陸につながる橋を思いながら、南面金鰲島の住民たちは今から胸を躍らせている。