山全体が紅く染まると胸がいっぱいになるツツジ
故郷の趣きをかもし出す靈鷲山は4月になると満開したツツジで一層美しくなる。
靈鷲山のすばらしい風景と海から吹いてくる涼しい風、そして咲き乱れるツツジを眺めていると歓声と一緒に感動がわいてくる。
春になると訪れる春の花、靈鷲山のツツジ
幼いころは花の美しさがわからなかった。春になるとあちこちで咲く花を探し求めて花見をする人々のことが理解できなかった。ある日ふと、山全体が火事にでもなったように一面がツツジで紅く染まった山を見て初めて花の美しさを感じ、心が安らかになり、さらにそこから得られる安らぎで花の美しさがわかるようになった。毎年咲いては散る花が同じ花ではないとわかるころになってやっと自然の理に目が開いた。
春になると花を探して道を歩きまわる。韓国のツツジ祭を訪れるが、その中でも断然すばらしいのは麗水の靈鷲山に咲くツツジの花だ。山全体が紅く染まって胸がいっぱいになるようなその感じは絵や写真でも説明できない。実際に山に登ってこそ感じられる。山に登ってみるとツツジが吹出す紅くて淡い色と花びらでそのまま全身が染まってしまいそうだ。あえて金素月詩人のツツジを詠じなくてもツツジから受け取る痛いほど美しい色合いの意味がわるようだ。
つつじが美しい山、毎年4月初旬になると、霊鷲山は一面うすべに色のゲンカイツツジの花畑になる。背の低いツツジが群落を成して霊鷲山一帯でツツジの花が満開する。特に山の中腹から頂上まで花でほとんどうまり、まるで山が燃えあがるような壮観を演出する。うすべに色の花で一杯になった山を登ってみると、この世の道ではないような錯覚に陷ったりする。
チャムコッ、トゥギョンファ、アンサンホン、クィチォッファ、これらは皆ゲンカイツツジの別名だ。日の光が暖かくなる春が来ると霊鷲山を登る所々にピンク色の花が湧き出てつぼみを開き始める。
日の光が好きなゲンカイツツジの群落のある所は背の高い木々がなく、いっそう荘厳な華やかさを鑑賞することができる。最高のゲンカイツツジの群落地は岩の上の付近と頂上の下、チンレ峰付近で、この群落地を楽しめる登山コースはサンアム小学校から始まり450mの峰を経てボンウジェと霊鷲山の頂上に上がった後、興国寺の方向に下る道だ。
霊鷲山は頂上まで上る時間が1時間から3時間まで多様な登山コースがある。開けた頂上に立てば麗水の全景が見渡せる。麗水産業団地から遠くは海につながる南海の風景まで、最も正確で最も幅広く見ることができる麗水の風景だ。
麗水を代表する霊鷲山のツツジ祭りはゲンカイツツジが満開になる毎年4月第1週に開かれる。国の平和と市民の安泰を祈る山神祭から始まり、写真撮影大会、ミス・つつじコンテスト、地方の特産料理祭、牛島風物グッ、農楽コンテスト、詩画展、押し花作りなどのプログラムが霊鷲山を訪れる観光客を楽しませてくれる。
霊鷲山は昔から地域の住民たちに霊妙な山として認識され、雨ごいの祭などで精を込めた所だ。霊験あらたかな所として知られ、伝統祈願道場だった錦城台があり、その下の祈祷道場である兜率庵が現在まで人々の足が絶えることがない。ツツジ祭りを見て下ってくる途中に祈祷道場に立ち寄って夏と秋、冬の安泰を祈願してみるのはどうでしょう。